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2026/10/12

30,日本の古ビル再生『ビルつぎ再生プロジェクト 南大須ビル』

今回も、私が手掛けた古ビル再生プロジェクトの中でも一番魂を込めた案件をご紹介したいと思います。

2023年5月、不動産店からの紹介で出会ったその物件は、大須商店街の北側、いわゆる「仏壇通り」に面していた。

地下鉄2駅から徒歩圏内、名古屋中心部へも2駅という抜群のアクセスを誇る。

しかし、交差点を一つ挟むだけで、大須の喧騒が嘘のように通りは静まり返っていた。

背景にあったのは、仏壇業界の斜陽化と後継者不足だ。

かつての賑わいは失われ、古く陰湿な空気が漂う街には若者の姿も少ない。

土地のポテンシャルを活かしたマンション建設により人口こそ増えていたが、そこで暮らす人々の生活を豊かに彩る魅力や賑わいは乏しい状況だった。

「この地を再生させるには何が必要か?」——模索の末に行き着いた答えは、街の基盤である仏壇業界そのものにイノベーションを起こすことだった。

伝統とクリエイティブの融合である。

クリエイターやアーティストの手を借りて伝統産業に新たな息吹を吹き込み、若い世代を引き寄せる文化の発信地に育てること。

その構想を形にするため、ビル1階には集客力の高いカフェを誘致し、

上階にはクリエイター向けシェアオフィスとアーティスト向けシェアアトリエを計画した。

さらにエリア全体の価値を高めるべく、一帯を「南大須」と位置づけ、ビル名も『南大須ビル』と改称。

設計、デザイン、リーシング、飲食など、各分野の一流プロフェッショナルを集めた「アベンジャーズ」のようなチームを結成した。

築50年を超える建物ゆえ、老朽化や図面不足、未登記増築といった難題が立ちはだかったが、チームと行政の連携によりひとつずつクリア。

そうして2025年7月、ビルは無事にグランドオープンを迎えた。

オープン直後からメディアで話題を呼び、1階のカフェは連日行列ができる人気店に成長。

ビルは瞬く間に地域のシンボルとなった。

そして今、南大須ビルを起点とした小さな波紋が、通り全体へと広がり始めている。

有名なサウナの進出やリノベーション物件の増加、仏壇業界とアートが融合した祭りの開催など、街は確実に変わり始めた。

「点」として始まった小さな再生の芽は、今まさに「面」の賑わいへと広がり、この街の新しい未来を照らしている。

参照:https://mosu.jp/

30回コラムを続けてきましたが、いかがでしたでしょうか。

古ビルの再生について課題から現状から今後に向けてを語ってきました。

これからの日本の大きな課題である地方都市に放置されている古小ビルを再生していく事。

これが『ビルつぎ』の使命であります。

この課題解決していくには、古小ビルの流動化ではないかと私は考えております。

次回からはこの流動化について我々が目指している事をお伝えして行ければと思います。

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